【読書感想文】コンサル一年目が学ぶこと
インプットのためのアウトプット。
記憶の定着のためにはやはりアウトプットが大切である、という主張は様々なところで目にする。自分としても「本をそれなりの数で読んでいるが果たして身についているのか」という疑問は最近ちょくちょく感じる部分なので、そのあたり試行錯誤をしていこうという一環になる。
やるとなったら、媒体を何にするかという事を検討する必要があるわけだが、Twitterは気軽に書ける半面、熟考せずに出せてしまったり長文が書きづらいというデメリットもあるので、ほどよく長文が書けるという意味でオーソドックスにブログが良いだろうという結論になった。土佐日記に倣うわけではないが、ブログといふものをしてみんとてするなり、という心持ち。
最初は軽めの本が良いだろうという事で、ビジネス書から以下を選んだ
基本情報
2014年発行。現在も書店で平積みされ、ビジネス書としては結構ロングセラーな本だと思う。
自分も昔に一度読んだような記憶があるが、最近社内で人に紹介する機会があり、またたまたま別の理由で加入したKindle Unlimitedにも本書がラインナップされているのを見つけたので改めて読んでみよう気持ちになった(紙の本は行方不明である)。
電子版には著者の基本情報が見つからないが、ざっと読む限り元々コンサル会社で入社して後に独立したという感じだろうか。
中身の概要
内容的にはコンサル会社で学んだビジネスに求められる汎用的なスキルやマインドについて著者の経験も踏まえて紹介している感じ。著者が後書きに書いているよに網羅的であることは目指しておらず、複数のコンサルタントと意見交換をして重要だと考えたものにしぼっているようだ。
議事録の具体的な取り方などの細かいスキルレベルのノウハウも多少は載っているが、そこから得られる一段抽象的なスキルや考え方に重きを置いているように見える。
コンサル文化じゃないと通用しなさそうな事も一部書いてあるが、仕事に対する汎用的な考え方も多く記載されていて、あまりコンサルに過剰適合しないよう意識は向けられているようだ。
印象に残った点
雲雨傘
名前を聞いてもピンとこないがリサーチ・レポーティングにおいて抑えておくべき概念を端的に表したものである。端的に言えばアウトプットにおいては以下の3つを混同せずかつ必ず3とも用意しろという事である。
- 事実:雲がある
- 解釈:雨が降りそう
- アクション:傘をさす
価値ある情報提供をするために、内容整理の仕方を教える考え方であり、一種のフレームワークともいえる。「価値提供においては3つマスト」という点に同意できるようなできないようなという感じだが、例えばアクションのみだとWhyが足りないので他の選択肢とのロジックの比較ができず説得力がないというのはその通りだと思った。
3つ揃っていないと常にダメかはさておき、メンバーが出してきたものや自分が出すものを評価するうえでの観点としては有用だろう。
仮説思考
仮説思考に基づかない網羅的リサーチが失敗しやすいのは実務でもまま実感する機会が多い。先に最終成果物のパワポをガワだけでも用意しろと別の所にも書いてあるが、価値につながる観点でまず仮説を出してそれを検証するスタイルじゃないと、分析結果一覧が出たときにそこから何かを捻りだすのに苦労するのはその通り。
自分の意見を持つ
「若手のうちほど、情報を集めて満足する人が多い」、「(単純に)情報量を増やしてもビジネスの能力は一切向上しない」とバッサリ。とても耳が痛い話である…
総評
改めて読んでみるとどれも端的にまとまっていて良い。
部分的には理解が追い付かない部分もありつつも、各項目についてやるべき理由も含めてそれなりにしっかり言語化されているのが良い点で、自分の業務を客観視するためのフレームワークや、教育観点で整理する際には特に有効だと感じた。
コンサルじゃなくても使える部分は多々あり、5年級のベストセラーになるのも頷ける出来だと思う。ただマインドセットの部分はコンサル以外だとあんまりピンとこない部分があるかも?と感じた。
翻って今の自分を見たときに出来てる部分もあれば出来ていない部分もあり、精進しなければいけないなーという気持ちになった。
今後のアクション案
定期的に思い出す価値はある内容だと思ったので、以下をやってみるのは面白いかもしれない。
- 本書の内容をチェックリスト化
- 週次だったり月次だったりで、チェックリストの達成状況を振り返り
振り返りについては、自分自身もそうだが育成の観点から部分的な達成を目標に据えて進捗を管理していくのも良さそう。
その他
- グロービズ学び放題というe-learningがあるようだ。月額2000円くらい。改めて網羅的に学ぶ機会としては良さそう。気になる。
- 「企業参謀」は買ったきり読んでない…読まねば。あと「問題解決プロフェッショナル」も最後まで読んだ記憶が無いので多分途中で終わってる。
終わりに
思ったより分量が増えてしまった。あなりに書くコストが大きくなりすぎて結局書かなくなったら本末転倒である。本書にもある通りQuick and Dirtyを目指していきたい。